電車の運転士になる方法2

実在しない動力車操縦者運転免許

 

 

蒸気機関車の場合には、その機関士となるために、動力車操縦者免許以外にボイラー技士の資格も必要となります。そして、実際に蒸気機関車を運転する場合には、機関士と機関助士の双方が二級以上のボイラー技士の資格を持っているか、機関士のみが一級以上のボイラー技士資格を持っていなければなりません。

 

 

また、動力車操縦者運転免許の中には、その対象となる動力車が事実上存在しないために、単に書類上のものとして存在しているものもあります。

 

 

例えば、乙種蒸気機関車運転免許は、路面電車の蒸気機関車を運転するための免許ですが、過去において路面電車の蒸気機関車というものは存在した例がありません。乙種内燃車に関しても、1964年から1971年まで札幌市交通局で路面ディーゼルカーが運行されていただけであり、それが電化されてからは書類上だけの存在となっていました。

 

 

しかし、伊予鉄道が2001年に敷設した「坊っちゃん列車」は、その牽引機関車が蒸気機関車風のディーゼル機関車であったために、路面を走る内燃車というものがおよそ30年ぶりに復活することになり、乙種内燃車の運転免許も復活したわけです。

 

 

この「坊っちゃん列車」は、実際にはディーゼル機関車として復活したわけですが、当初は蒸気機関車として復活させる計画もあったために、乙種蒸気機関車運転免許が初めて実在することとなる可能性もあったのです。